「子どもが生まれたら、もうゴルフは無理かな」と諦めていませんか?女子プロゴルフ界ではママになっても活躍する選手が増えてきました。この記事では、彼女たちの復帰ストーリー、育児とゴルフを両立する工夫を紹介します。プロの姿からヒントを得て、あなたらしいゴルフライフを再開するきっかけを見つけてください。
「育児とゴルフの両立」女子プロゴルフ界に起きている新しい波
これまで「育児とゴルフの両立は難しい」と考えられてきました。出産後も活躍する選手が増えている背景と、私たちに勇気をくれる「新しい波」について解説します。
横峯さくら、若林舞衣子…増え続ける「ママさんプロ」の活躍
かつては「出産後は競技から離れる選手が多い」と見なされることが一般的でしたが、現在は出産後も第一線で戦う選手が増えています。2021年の若林舞衣子選手の産後初優勝や、永久シードを目指す横峯さくら選手の挑戦は、その象徴といえます。
トレーニングの研究などが進んだことで、以前よりも長く現役を続けられるようになりました。母親として戦う姿は多くの支持を集めており、「ママでも輝ける」という新しい常識を作り上げています。
なぜ今、産後復帰を選ぶ選手が増えているのか?
プロも一般のママも「好きなことを諦めたくない」思いは同じです。復帰選手が増えている背景には、「自己実現」と「育児」の両立を支える産休制度や託児所などの環境の変化があります。
結婚や出産をハンデではなく、競技人生を支える大切な経験と捉える風潮も広がりつつあります。海外ツアーで活躍するママアスリートの存在や、お互いに助け合う精神が浸透し、仲間同士で支え合うコミュニティが、復帰への大きな後押しとなっています。
【実録】横峯さくら選手に見る「産後復帰」のリアルな舞台裏
驚異のスピード復帰を果たした横峯さくら選手。明確な目標設定と、家族とチームで戦う新しいツアー生活の工夫に迫ります。
産後約3カ月と3週間でツアー復帰!常識を覆した驚異のスケジュール
横峯選手は2021年2月4日に第1子となる男の子を出産し、同年5月下旬の「リゾートトラスト レディス」で国内ツアーに復帰しました。出産から約3カ月と3週間というスピード復帰は、女子プロゴルフ界でも大きな話題になりました。
産後1ヶ月ごろからは、できる範囲で腹筋トレーニングなどの軽いエクササイズを再開し、地道に体づくりを続けて復帰戦に臨んだと紹介されています。
女子ツアーで永久シードを得るには、通算30勝が必要とされており、横峯選手も今なお高い目標を見据えて挑戦を続けています。「目標があるから頑張れる」というスタンスは、多くのママゴルファーにとっても大きな励みになるでしょう。
キャンピングカーで全国転戦?子連れツアー生活の工夫
横峯選手は、家族と一緒にツアーを回りやすくするため、キャンピングカーを購入しました。移動と宿泊を兼ねた「動く家」として活用することで、移動による体力的な負担を抑えながら、家族と過ごす時間も確保できるよう工夫しています。
夫婦で役割分担しながらツアー生活と子育てを両立しています。キャンピングカーや託児のサポートを組み合わせながら、「家族でゴルフを続ける」スタイルを模索しているといえるでしょう。
「息子にかっこいい姿を」モチベーションの変化が強さに
出産を経てゴルフを続ける理由は、「自分のため」だけでなく、「息子に頑張っているママの姿を見せたい」という思いへと広がりました。
試合前に息子から「ママ、ゴルフ頑張ってね」と声をかけられることが、大きなモチベーションになっていると語っています。
結果が出ず落ち込むときでも、家族と過ごす時間が次の試合へのエネルギーに変わっているそうです。こうしたエピソードは、育児と仕事(趣味)を両立したいママゴルファーにとっても、励みになるストーリーです。
【実録】若林舞衣子選手が証明した「ママでも勝てる」強さの秘密
産後復帰を果たし、優勝とツアー新記録を達成した若林舞衣子選手。時間の制約を逆手に取り、集中力とメンタルを磨き上げた彼女のスタイルを紹介します。
産後復帰後の優勝が与えた大きな勇気
若林選手は2019年4月に第1子を出産し、2020年シーズンにツアーへ復帰しました。2021年7月の「GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ」で産後初優勝を飾っています。
出産後にツアーで優勝したのは、ツアー制施行後6人目です。延長戦までもつれ込む激闘でしたが、最後まで集中力を切らさずに勝利をつかみました。
体力の低下やブランクへの不安があっても、工夫次第で結果を出せると証明した姿は、多くの女性ゴルファーにとって希望の光となりました。
子どもの時間も大切にするからこそ生まれた「量より質」の練習
若林選手はインタビューで「子どもとの時間もすごく大事だと思っていて、練習、練習と思わず、バランスよくできたと思う」と話しています。練習一辺倒ではなく、家庭とのバランスを意識することで、限られた時間の中でも集中してゴルフに向き合っていることがわかります。
時間がなくても「今できることに集中する」という「量より質」の姿勢は、仕事や育児に忙しい私たちにも大きなヒントになります。
85ホール連続ノーボギー記録を生んだメンタル
若林選手は、JLPGAツアー新記録となる「85ホール連続ノーボギー」も達成しています。本人は優勝インタビューで「弱い自分に負けたくない、絶対に勝つという気持ちでやりました」と語っており、強いメンタルがこの偉業と勝利を支えたことがうかがえます。
選手を支える環境の変化~JLPGAの託児所とサポート体制
個人の努力だけでなく、業界全体の支援も進んでいます。協会や運営スタッフが一丸となって進める、託児所の設置や制度改革について紹介します。
試合会場に託児所が登場!ママプロを支えるインフラ
「JLPGA Welcome Babies & Kids Project Supported by 住友商事」を推進し、2024年には年間12会場で託児所を設置しました。保育士が見守る託児所を会場内に設けることで、選手が安心して競技に集中できる環境を整えています。
他の選手らも利用しており、「ママの職場」を子どもに見せられることは、選手にとって大きなモチベーションになります。
産休制度の活用で守られる出場資格とキャリア
JLPGAの産前産後休業(産休)制度により、出産で休んでも、産休開始時点で持っていたツアー出場資格(シード権やQT順位など)を一定の条件のもとで引き継ぐことができます。
出産日から起算して最長36カ月間の産休期間が認められており、そのあいだに焦らず体調を戻すことができます。キャリアのピークと出産適齢期が重なる選手にとって不可欠な制度です。
以前は賞金シード選手やメルセデス・ランキングシード選手、前年度優勝者など一部の上位選手のみが対象でしたが、適用範囲がTP登録者全体に拡大し、「妊娠したら引退か」という二者択一がなくなり、「復帰できる場所がある」という保証がライフプランを支えています。
安心して出産できる環境は、競技レベル維持にも繋がっています。
仲間や家族、運営スタッフみんなで育てる「ツアーの子どもたち」
託児所の設置だけでなく、選手のコメントからもツアー全体で子育てを応援する雰囲気が高まっていることがうかがえます。
子どもが近くにいることで安心してプレーできる、ママの仕事を見せたいといった声が紹介されており、ライバルでありながら支え合うコミュニティが、ママさんプロの活躍を後押ししているといえるでしょう。
「ツアー全体で子どもを育てる」空気が生まれ、ライバルでありながら支え合うコミュニティが、ママさんプロの活躍を後押ししているのでしょう。
~JLPGAと住友商事が共同で進める、トーナメント会場に託児所を設置するプロジェクト「JLPGA Welcome Babies & Kids Project Supported by 住友商事」は、2024年に2年目を迎えました。本年度はJLPGAツアー、ステップ・アップ・ツアーを中心に年間12会場に設置しました。選手が安心して子どもを預け、競技に集中できる環境を提供することができました。~
私たちにもできる!ママゴルファーが「好き」を続けるためのヒント
プロの工夫は、一般のアマチュアゴルファーにも応用できます。完璧を目指さず、今のライフスタイルに合わせてゴルフを楽しむヒントをまとめました。
完璧を目指さない!「月1回の練習」でもOKと割り切る
まず大切なのは「完璧を目指さないこと」です。「以前は毎週行っていたのに」と過去と比較して落ち込む必要はありません。独身時代のように時間がないのは当然です。
「月1回でも打ちっ放しに行けたら花丸」とハードルを下げましょう。スコアが悪くても、ボールを打つ感触を楽しむだけで十分と思うことが大切です。
制限があるから楽しい?「量より質」で上達する思考法
時間がないなら、「自宅練習」を味方につけましょう。ゴルフ場に行かずとも、毎日5分のパター練習や動画でのイメトレなど、できることはたくさんあります。
忙しいからこそ「この5分を大切にしよう」という集中力が生まれます。「隙間時間の積み重ね」を重視してください。時間の制限をゲーム感覚で楽しむマインドで、気楽に取り組みましょう。
家族を巻き込む!子どもと一緒にゴルフ場へ行くという選択肢
一人で抱え込まず、家族を巻き込むのも手です。ママだけの外出に罪悪感があるなら、「ママゴル」などの託児サービスを活用し、家族レジャーにしてしまいましょう。
「家族みんなで楽しむ日」にすれば、堂々と満喫でき、子どもにも良い刺激になります。
まとめ
ママさんプロの活躍により、ゴルフは「産後も楽しめる趣味」へと変わりつつあります。完璧を目指さず、「月1回の練習」や「自宅でのパター練習」から再開してみましょう。
ママが笑顔なら、家族もきっと嬉しいはずです。自分の時間を大切にすることは、決して悪いことではありません。ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください!
あとがき
この記事を書き、仕事と育児の両立に悩む日々の中で、横峯選手や若林選手の「諦めない姿」には心から励まされました。
「ママだから」と何かを我慢するのではなく、工夫次第で好きなことは続けられる。この記事が、あなたのゴルフライフ再スタートの背中を少しでも押せたら嬉しいです。


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