車いすラグビーでパラリンピック四大会連続出場、銅メダルを獲得した沖縄が誇るレジェンド仲里進選手。その飽くなき挑戦は、新たな舞台である車いすソフトボールへと広がりを見せています。障がいの有無に関わらず誰もが楽しめるユニバーサルスポーツとしての魅力を持つ車いすソフトボールは、今、沖縄で確実にその輪を広げているのです。競技の普及と自身の挑戦を両立させる仲里選手の情熱と活動に迫りながら、車いすソフトボールの醍醐味をお届けします。
沖縄の星 仲里進選手とは 偉大な功績
沖縄県民にとって「仲里進」という名前は、不屈の精神と挑戦を体現する存在として広く知られています。
彼は浦添市出身の車いすアスリートであり、特に車いすラグビー(ウィルチェアーラグビー)の分野で日本を代表する選手として輝かしいキャリアを築き上げてきました。
仲里選手の長年の活躍は、次のような功績に裏付けられています。
- パラリンピック四大会連続出場:2004年アテネ大会から2016年リオ大会まで、四大会連続で日本代表に選出されました。
- 歴史的な銅メダル獲得:2016年リオデジャネイロパラリンピックでは、日本代表チームの一員として出場し、悲願であった銅メダル獲得に貢献しました。
- 地元沖縄での栄誉:その偉大な功績をたたえられ、地元浦添市から市民栄誉賞の第一号、また沖縄県からは県民栄誉賞が授与されています。
- 多様な競技経験:先天性多発性関節拘縮症という障がいを持ちながらも、18歳から車いす生活となり、車いすバスケットボール等を経て、激しいウィルチェアーラグビーへと転向しました。
車いすラグビーのレジェンド仲里選手は、障がいへのいじめや偏見に悩んだ過去を乗り越え、「すべてプラスになった」と語る不屈の精神の持ち主です。 その強靭な精神力こそが、彼が多くの方に勇気を与え続けるゆえんです。
長年の激しい競技生活を経て、アスリートとして進化を止めず、車いすソフトボールへと挑戦の舞台を広げました。
新たな挑戦の背景には、障がいの有無に関わらず誰もが楽しめるユニバーサルスポーツである車いすソフトボールを通じ、パラスポーツを普及したいという強い思いがあります。
- 多競技への挑戦:仲里選手は、車いすラグビーをメインとしながらも、車いすソフトボールチーム「琉球ワイルドキャッツ」に所属し、選手として活動しています。
- 代表選出:2023年には、日本車椅子ソフトボール協会の日本代表メンバーにも選出され、アメリカで開催されたワールドシリーズで優勝に貢献しました。
車いすラグビーがプレーヤーを障がい者に限るコンタクトスポーツであるのに対し、車いすソフトボールはルールを工夫することで健常者も同じチームで一緒にプレーできるという大きな特徴があります。
このユニバーサルな性質こそが、仲里選手が競技の普及に大きな可能性を見出した理由です。
スポーツが障がいの壁をなくす力を持っていることを知る仲里選手だからこそ、この競技を通して共生社会の実現に貢献したいという強い使命感を抱いているのです。ラグビーで培った経験と情熱を、ソフトボールの普及と発展のために注ぎ込んでいます。
~先天性多発性関節拘縮症(ビールス症候群)を持って生まれる。元車いすラグビー日本代表の神里和彦選手に誘われ、競技を始める。2003年から車いすラグビー日本代表として活躍。2004年のアテネ大会から4大会連続でパラリンピックに出場し、日本車いすラグビー界を長年けん引した。2016年、自身4度目となるパラリンピックで日本代表初の銅メダル獲得に大きく貢献。~
沖縄初のチーム 琉球ワイルドキャッツの結成と活動

仲里進選手が所属し、中心となって活躍しているのが、沖縄県で初めて結成された車いすソフトボールチーム「琉球ワイルドキャッツ」です。このチームの存在は、沖縄のパラスポーツ界における大きな一歩を意味します。
「琉球ワイルドキャッツ」は2022年の発足以来、仲里選手が持つトップアスリートとしての知見やリーダーシップを基盤に活動を広げています。チームは沖縄県内を拠点に、全日本選手権などの全国大会にも積極的に出場し、成績を収め始めています。
- 健常者と障がい者の協働:チームのメンバー構成は、障がい者と健常者が半々程度で構成されています。健常者の多くは、野球やソフトボールの経験者で、車いす操作を学びながら競技の楽しさを共有しています。
- 普及と強化の両立:全国大会での上位進出を目指す「強化」と、体験会を通じた競技の「普及」を活動の二本柱としています。
- 共生社会のモデル:「琉球ワイルドキャッツ」は、スポーツを通じた共生社会のモデルです。障がいの有無に関わらず、一つのチームとして協力し、目標に向かう姿は多くの人々に感動を与えています。
チーム活動の目的は単なる勝利だけでなく、健常者と一緒にスポーツをする中で、互いの理解を深め、共通の喜びを分かち合うことに大きな価値を見出しています。実際に、立場の垣根を越えた交流が生まれています。
沖縄の地域社会においても、チームは障がい者スポーツの魅力を発信する重要な拠点となっています。
彼らの活躍や熱意ある普及活動は、沖縄県内での障がい者スポーツへの理解を深め、より多くの人がスポーツに親しめる環境づくりに貢献していくことが期待されています。
車いすソフトボールのルールと魅力 誰もが楽しめる理由
仲里進選手が普及に力を入れている車いすソフトボールは、基本的なルールは野球やソフトボールと同じですが、誰もが公平に楽しめるように工夫された特別ルールが設けられています。このユニバーサルな設計こそが、競技の最大の魅力です。
- 競技用車いすを使用:選手は守備・攻撃の際に、競技用の車いすに乗ってプレーします。車いすを操る技術も、競技の重要な要素の一つです。
- ボールと用具:使用するボールは、通常のソフトボールよりも一回り大きく、野手はグローブを使わず、素手でボールを扱うことが多いです。
- カウントルール:試合をスピーディーにするため、カウントは最初から「1ボール1ストライク」からスタートします。
- 障がいの有無を問わない参加:障がいの有無や年齢、性別に関係なく、一つのチームでプレーできる点が最も特徴的です。
特に、健常者も競技用車いすに乗ってプレーするという点は重要です。これにより、障がいのある人もない人も同じグラウンドで同じ目線で競技に集中できるという、他に類を見ない環境が生まれます。
また、車いすソフトボールは、屋外の駐車場などでも開催できる数少ないパラスポーツであることも、普及のしやすさにつながっています。
この競技は、単にスポーツを楽しむだけでなく、共生社会を考える貴重なきっかけとなります。健常者が車いすに乗ることで、障がい者の視点を体感し、相互理解が深まります。
競技レベルも高まっており、パラリンピック正式種目入りを目指して国内外で普及活動が続けられています。
仲里選手の情熱が未来を創る 普及活動への思い

車いすソフトボールを通して、仲里進選手が目指すのは、競技レベルの向上だけではありません。その根底には、スポーツが持つ力を信じ、共生社会の実現に貢献したいという強い思いがあります。
リオパラリンピックの銅メダリストとして、そして沖縄のレジェンドとして、仲里選手の影響力は計り知れません。彼の新たな挑戦は、沖縄県内の障がい者スポーツに対する認知度と関心を一気に高める起爆剤となっています。
- パラスポーツの魅力発信:仲里選手の活動は、車いすソフトボールだけでなく、パラスポーツ全体の魅力を発信する機会となっています。
- 地元への貢献:沖縄初のチーム「琉球ワイルドキャッツ」での活動を通じて、地元沖縄の地域貢献を果たし、障がいのある人たちにスポーツの機会と希望を提供しています。
- 未来のアスリート育成:「生きがい、生きるすべ、本当に全てです」と語る仲里選手の情熱は、次世代育成とソフトボールの普及にも注がれています。
仲里選手は、車いすソフトボール体験会を積極的に開催し、障がいの有無に関わらず多くの人が競技の楽しさに触れる機会を提供しています。
日本代表選手による直接指導は貴重な交流の場となり、地道な活動の積み重ねが沖縄にパラスポーツが身近にある環境を根付かせています。
自らの活躍を通じ、障がい者スポーツへの理解促進や新たな競技場の建設といった環境整備への願いも実現したいと考えています。
仲里選手の情熱と「琉球ワイルドキャッツ」の活躍は、車いすソフトボールの魅力を伝え、誰もがスポーツを楽しめる社会の実現に向けた明るい未来を創り続けています。
まとめ

車いすラグビー銅メダリストの沖縄レジェンド仲里進選手は、現在、車いすソフトボールで活躍中。パラリンピック四大会連続出場やリオ大会銅メダルなど、輝かしい功績を残しています。
新たな挑戦である車いすソフトボールは、障がいの有無に関わらず楽しめるユニバーサルスポーツです。仲里選手が中心の沖縄初のチーム「琉球ワイルドキャッツ」は、共生社会のモデルとして活動。
特別ルールで誰もが公平に楽しめるこの競技を通し、共生社会の実現に貢献するという強い使命感を持っています。彼の不屈の精神と情熱は、障がい者スポーツの認知度向上と明るい未来を創り続けています。
あとがき
車いすラグビーのレジェンド、仲里進選手が、新たなユニバーサルスポーツである車いすソフトボールに挑戦している姿に私は、深く感銘を受けました。
彼は現在、沖縄初のチーム「琉球ワイルドキャッツ」を牽引し、障がいの有無に関わらず誰もが楽しめる共生社会のモデルを体現しています。競技用車いすを駆使する彼の不屈の精神と情熱は、単にスポーツの枠を超え、多くの人々に勇気と希望を与え続けていると思います。
車いすラグビーで培った経験と不屈の精神をもって、新たな競技の普及と強化を両立させる仲里選手の今後の活躍を心から期待しています。彼が創り出す「誰もがスポーツを楽しめる未来」に、これからも注目していきたいです。


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