2026年冬季大会を象徴するメダルが初公開されました。ベネチアの歴史的な街並みを舞台に披露されたこのメダルは、イタリアが誇る職人技と持続可能性への配慮を融合させたデザインが特徴です。選手たちの歩みと、それを支える人々の存在を表現した造形になっています。本記事では、ミラノ・コルティナ2026のメダルに込められたコンセプトと背景を紹介します。
ベネチアの運河で披露された栄光のシンボル
メダルの初公開は、2025年7月15日にベネト州の州都であるベネチアで行われました。発表はパラッツォ・バルビ(ヴェネト州政府の庁舎)で実施され、イタリアの次回冬季大会を象徴する存在として披露されました。
レジェンドたちが手にする勝利の輝き
イベントには、イタリア水泳界を代表するメダリストのフェデリカ・ペレグリニや、パラリンピックで数多くのメダルを獲得してきたフランチェスカ・ポルチェラトが参加しました。彼女たちが手にしたメダルは、勝利の証であると同時に、大会の理念とデザインを伝える象徴として位置づけられています。
~ミラノ・コルティナ2026は7月15日現地時間午後3時半、次の冬季オリンピックおよびパラリンピックのメダルを初公開した。競技が行われるベネト州の州都ベネチアで開かれたイベントで公開されたこのメダルは、オリンピアンであり、ミラノ・コルティナ2026アンバサダー・プログラムの責任者でもあるヴァレンティーナ・マルケイ氏によって紹介され、イタリアのデザインと同国の精神を通じた勝利を祝うものである。イタリアで最も成功した水泳選手であるフェデリカ・ペレグリニと、夏・冬合わせてパラリンピック13大会に出場し、14個のメダルを獲得したフランチェスカ・ポルチェラトがイベントに参加。メダルを持ってボートに乗り込んだふたりは、ベネチア・サンタルチア駅からカナル・グランデ沿いの歴史あるバルビ宮まで移動し、そこでメダルが披露された。~
純粋さと本質への回帰を目指した造形美
ブランド、アイデンティティ、大会ルックの責任者であるラファエラ・パニエ氏は、メダルのデザインについて「純粋さと本質への回帰」を表現し、違いの中に見出される強さを称える意図があると説明しています。さらに、二つの要素が出会う造形によって、オリンピックとパラリンピックの精神を結びつけ、アスリートだけでなく、コーチやチームメイト、家族、ファンなど支える人々の存在まで含めた物語を伝えるデザインにしたと述べています。
また、パラリンピックのメダルは、種目名などの表記に点字が加わり、幅広い選手に配慮した設計になっています。
持続可能な未来を鋳造するイタリアの技術
今回のメダルは、環境への配慮を重視して製造されています。イタリア国立造幣局(IPZS)は、同局の製造工程で生じた廃棄物から回収したリサイクル金属を活用し、職人技と環境への取り組みを両立させています。
メダルに込められた重み
ミラノ・コルティナ2026のメダルは、二つの半分を重ね合わせるデザインで、選手の歩みと、その歩みに寄り添った支える人々の存在を象徴すると説明されています。
二つの半分が示すストーリー
大会関係者は、この意匠が競争によって人を分断するのではなく、結びつきを生むという価値観を表すものだと述べています。
メダルの仕様
すべてのメダルは直径80mm、厚さ10mmで作られ、金・銀は500g、銅は420gという仕様が公表されています。
| 項目 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル |
|---|---|---|---|
| 主材料 | 999シルバー + 999.9ゴールド | 999シルバー | 銅 |
| 総重量 | 500g + ゴールド6g | 500g | 420g |
| 直径 | 80mm | 80mm | 80mm |
直近大会が示したデザイン哲学の系譜
北京2022年冬季オリンピックおよび北京2022年冬季パラリンピックのメダルは、大会開幕100日前に公開されました。メダルは表彰の証であるだけでなく、開催国の文化や精神性、そして時代の価値観を体現する象徴的な存在として位置づけられています。
北京大会のメダルは「同心」と名付けられ、古代中国の翡翠の円盤に着想を得た同心円の意匠を採用しています。
オリンピックとパラリンピックのメダルは同じ「同心」のデザイン理念を共有しています。一方で、パラリンピック版では表面中央にパラリンピック・シンボル(アギトス)が配置され、大会名が英語と点字で刻まれています。
平昌2018年冬季オリンピックのメダルは、開催国である韓国の伝統と文化を反映した意匠が特徴です。木の幹の質感から着想を得たデザインが施され、表面には五輪マークと斜線が刻まれています。
裏面には競技名が刻まれ、平昌2018の大会ロゴも配置されています。デザインを担当したイ・ソクウ氏は、韓国文化の基盤であるハングルを取り入れ、側面に子音を刻むことで選手たちの努力を表現しました。
リボンには伝統素材の甲紗が使用され、薄い青緑と薄い赤を基調にハングル文様があしらわれています。
平昌2018年冬季パラリンピックのメダルでは、伝統模様やハングルの刻印に加え、雲や山、風、木といったモチーフが取り入れられています。リボンも同じく甲紗で作られています。
こうした流れの中で、ミラノ・コルティナ2026のメダルは、二つの異なる質感が出会う造形によって、違いの中にある強さと結びつきを表すコンセプトが示されています。
2026年大会へ向けて高まる期待
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは2026年2月6日に開幕し、続いてパラリンピックが3月6日から開催されます。イタリア北部の都市と山岳地帯が一体となるこの大会では、金銀銅を合わせたメダル総数として、合計で1,146個が用意されるとされています。
メダル公開は大会への注目度を高める発表となり、アスリートたちの挑戦の物語がいよいよ動き出すことを印象づけました。
2026年の冬、イタリアの地で繰り広げられる熱き戦いは、このメダルとともに人々の記憶に残り、スポーツの普遍的な価値を未来へとつないでいくでしょう。
~ミラノ・コルティナ2026 メダルの詳細 ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは、金メダル245個、銀メダル245個、銅メダル245個が授与される。一方冬季パラリンピックでは、金メダル137個、銀メダル137個、銅メダル137個。合計で1,146個のメダルが授与されることになる。~
まとめ
ミラノ・コルティナ2026のメダルは2025年7月15日にベネチアで初公開され、歴史ある水都の景観とともに次回冬季大会の象徴として披露されました。発表にはフェデリカ・ペレグリニやフランチェスカ・ポルチェラトが参加し、メダルが大会の理念を伝える存在であることが示されています。
デザインは「純粋さと本質への回帰」を掲げ、二つの半分が重なり合う造形で選手の歩みと支える人々の存在、そして結びつきを表現します。パラのメダルには点字も加えられ、幅広い選手への配慮も盛り込まれました。
製造はイタリア国立造幣局(IPZS)が担当し、リサイクル金属を活用して持続可能性にも目を向けています。メダルは直径80mmで金銀は500g、銅は420gとされ、金銀銅合計で1,146個が用意されます。
あとがき
2026年の冬、このメダルは世界中のアスリートの胸で輝きます。その瞬間に生まれた数々の感動は、大会が幕を閉じた後もなお、多くの人々の心に残り続けていきます。
そこには、挑戦を重ねてきた選手たちの歩みと、それを支えてきた人々の想いが刻まれています。ミラノ・コルティナ2026が紡ぐ新たな物語に、引き続き注目していきたいところです。


コメント